本研究では、福島県浜通り地方および茨城県県北地域、とくに福島県いわき市を中心に、不況や人口減少・高齢化が各地区の住民人口や所得に与える影響を考察した。研究期間中に東日本大震災・福島第一原子力発電所事故が発生し、対象地域の大部分がこの被害・影響を受けたため、それらを考慮して分析を継続した。震災前においては、元々、山間部等で過疎化・高齢化が進んでいることに加え、市街地や工業地区周辺で不況の人口・所得への影響が大きいことが示された。震災後は、沿岸部・原発事故の影響を大きく受けたとされる場所・都市部などで相対的に大幅な人口減少がみられることが示された。
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