研究課題/領域番号 |
22730226
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
宇南山 卓 一橋大学, 経済研究所, 准教授 (20348840)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 補助金政策 / 家計行動 / 消費 |
研究概要 |
家計に対する補助金政策として、平成24年度は住宅ローン減税について分析をした。その分析の準備として、まず、住宅取得に関連したマクロ的な統計を収集・整理した。具体的には、総務省統計局が公表している「住宅・土地統計調査」の昭和53年調査から最新の平成20年調査までを都道府県別に入力し整理した。また、住宅に関する法律・制度について、その概要をまとめるとともに、過去の変更履歴を調査した。 整備したデータを観察した結果、住宅ローン減税が実施される前の数年にわたって日本の住宅市場が大きく混乱していたことが分かった。その理由の第1は、平成7年に発生した阪神・淡路大震災である。10万戸程度の住宅被害が発生したことは様々な情報から明らかであり、その再建のための住宅取得は通常の住宅の建設と区別する必要がある。また、住宅再建のために建設需要が関西に集中したため、全国的にも建設費用が増加したと考えられる。理由の第2は、平成9年には消費税の引上げが実施されたことである。消費税引き上げ前には大規模な駆け込み需要が発生しており、その効果も除外して分析をする必要があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度までに、当初分析を予定していた補助金政策のうち、公的年金・定額給付金・児童手当についてはおおむね分析を終えている。さらに研究計画では、分析を予定していなかった住宅ローン減税も研究に着手できている。平成25年度も予定通りに研究が進めば、計画最終年度である平成25年には当初の計画以上の成果が達成可能であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのところ、分析するデータについても分析環境についても概ね予定通りに入手できており、これまでの研究を引き続き推進していくことで初期の研究計画が推進できると考えられる。平成24年度から、追加的な研究テーマとして住宅ローン減税の評価を追加しており、データの整備・観察を終えている。平成25年度は、所得リスク・住宅取得の意思決定等を分析し、実証分析の枠組みとなるモデルを構築することを目指す。さらに、当初の研究課題であった公的年金・定額給付金・児童手当についても、より分析を深化させる予定である。
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