研究課題/領域番号 |
22730231
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
松永 桂子 大阪市立大学, 人文社会系研究科, 准教授 (20405476)
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研究期間 (年度) |
2010-10-20 – 2014-03-31
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キーワード | 地域産業 / 地域経済 / 地域社会 / 地域政策 / 中山間地域 / 社会的企業 / 東日本大震災 / 産業振興 |
研究概要 |
人口減少と高齢化が進行するなかで、地方や農山村では限られた資源を生かし、叡智と創意工夫で「小さな産業」が創出されつつある。成熟時代の地域社会モデルについて、人口減少、超高齢社会を経験している地域が、「地域の自立」「創造性」「コミュニティ」をキーワードにどのように変化を遂げているのかに焦点を当てながら研究を進めてきた。地域の取り組みを経済的価値だけで判断するのではなく、どのような社会的価値が創出されているのかに注目しながら、分析を進めてきた。 前年度まで実施してきた中国地方の調査研究を元に、単著『創造的地域社会―中国山地に学ぶ超高齢社会の自立―』(新評論、2012年)を刊行した。人口減少、超高齢化が進む農山村・中山間地域で、新たな取り組みである地域自治組織、集落ビジネス、女性起業、社会的企業などがどのような社会的価値をもつのかを分析、地域政策への含意についても記述した。 さらに、こうした中国地方の研究を踏まえ、今年度はとくに東日本大震災の被災地の産業復興の状況について調査を進めてきた。岩手県宮古市、釜石市、福島県いわき市、楢葉町、南相馬市を対象に、震災以降、被災地を訪れ、関係者からヒアリングを実施、被災地で立ち上がろうとする中小企業や商店、農業者、漁業者の取り組み追いながら、地域ごとや産業ごとの課題を抽出した。研究成果は共著書籍や紀要に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画以上に進展しているといえる。当初、4年間でまとめる予定であった書籍を2年半で刊行することができた。さらに、東北地方にフィールドを広げ、地域産業の復興状況、事業展開について調査、分析を重ねている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も地域産業の担い手や行政などへのヒアリング調査を元に研究を進めていく。研究成果を広く社会に公表、地域に還元していくことが課題である。
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