研究概要 |
本研究は日本貿易振興会アジア経済研究所の「2000年中国多地域間産業連関表」を主なデータソースとして,中国の多地域間経済の産業連関の相互依存関係を実証的に明らかにしようとするものである。また,それは静学的分析にとどまらず,具体的な政策効果を時間的動学的視野にて数値情報を提供するために,動学的応用一般均衡モデルの形に落としてシミュレーション可能とするところにメリットがある。 すなわち,本研究は中国の多地域間経済の産業構造を空間的に立体的に捉えるだけではなく,時系列的に動的に捉えているという特色を持っている。また海外研究協力者の協力の下で,現地調査を進めながらモデルを構築し,研究課題を実証的・定量的に把握し,分析しようとするものである。 平成22年度には海外研究協力者の協力の下で,中国国家統計局,北京地域・東北地域の地方統計局を訪問しながら,地域経済の経済統計の作成方法や地域間物流の計測方法及び存在する問題点を中心に現地調査を行い,中国多地域間リンク社会会計表を作成した。 また,中国東北三省に絞って地域間産業連関分析を行い,得られた研究成果は中国経済学会第9回全国大会,韓国東北亜経済学会・日本北東アジア学会合同学術セミナーで報告を行う形で公表した。
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