本研究では、「家族についての全国調査」を使って「成人の子が親と同居する要因」、「同居が親や成人の子の満足度に与える影響」について分析をした。特に、息子、娘といった性別の異なる同居の組み合わせが、父親、母親それぞれの生活の満足度にどのような影響を与えたのかを分析した。同居が親や子の満足度に与える影響を検証するために、マッチング法(propensity score matching)を用いた。そのアルゴリズムはカーネル法とnearest-neighbor法で推定した。 分析の結果、同居は子の満足度には影響を与えないが、親の満足度を下げるということがわかった。親から子の所得移転は同居確率を高めないが、子から親への所得移転は同居確率を高め、子との同居による親の不効用を所得移転により補償していると解釈できる。
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