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2011 年度 実績報告書

自社株買いによる富の移転について

研究課題

研究課題/領域番号 22730252
研究機関神戸大学

研究代表者

畠田 敬  神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (90319898)

キーワード市場の流動性 / R&D投資
研究概要

本年度は,自社株買いに関する富の移転の研究の領域でもあるが,自社株買いと表裏の関係である企業のR&D投資政策と株式の流動性と金融機関との取引関係に関する分析も同時に行った。こちらの研究に関しては,それぞれ1つの研究成果としてまとまり,前者は,2012年6月に日本経済学会にて研究報告を行い,後者は,2012年9月に地域金融カンファレンスで研究報告を行った。以下では,それぞれの研究についての概略を紹介する。
前者の研究では,企業のR&D投資の硬直性に注目し,それが多角化企業とそうでない企業でどのような差が見られるかについての実証的な検証を行った。そして,多角化を行っていない企業ほど,企業のR&D投資の硬直性が観察された。さらに,同様の分析を,規模,負債比率,ペイアウトの視点から分析したところ,負債比率の高い,そして自社株買いや配当などのペイアウトに積極的でない企業に企業のR&D投資の硬直性がないことが観察された。この2つの結果は,多角化している企業ほど,財務リスクが高く,ペイアウトに慎重な企業であり,その結果,企業のR&D投資が変動的になることを示唆している。
後者の研究では,企業の株式市場の流動性とその企業と取引関係のある金融機関とのリレーションシップの関係についての実証研究を行った。実証結果によると,企業と取引関係のある金融機関とのリレーションシップが密接であるほど,その企業の株式市場の流動性が高まる。これは,金融機関とのリレーションシップが,市場に存在する情報の非対称性問題の緩和に繋がっていることを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

株主への富の移転を表わす尺度の計測に時間がかかっている。また,近年の自社株買いの実施状況に関するデータの整理に時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

富の移転を表わす尺度の計測方法についての改善を行う。近年の自社株買いの実施状況に関するデータの整理に時間がかかっているが,可能な限り早い段階で,効率的な方法を構築したい。最後に,本研究と関連性が深いものの,必要以上に,当該研究周辺の研究に,時間が割かれている傾向があるので,できるだけ本研究に集中する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 株式市場の流動性と銀行借入依存度の関係について2012

    • 著者名/発表者名
      畠田敬
    • 学会等名
      地域金融カンファレンス
    • 発表場所
      中央大学
    • 年月日
      2012-09-05
  • [学会発表] R&D Investment Smoothing and Corporate Diversification2012

    • 著者名/発表者名
      畠田敬
    • 学会等名
      日本経済学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2012-06-23

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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