研究課題
本年度は、昨年度までに作成したデータを元に推定を行った。先ず、競争度指標であるBoone指標の推定を行い、日本全体と地域別の競争度、および国別の競争度を明らかにした。特に、Bureau van Dijk社のBankScopeを用いた大規模な比較はこれまでにないものである。また、これらの推定値を用いて、競争度がどのような要因と相関があるのか、他のマクロ経済変数にどのような影響を与えているのかを推定した。これに関連するいくつかの推定についても進めることができ、年度終了後も引き続き推定した指標を利用して行きたい。さらに、これらとは独立して、Boone指標が統計的に適切に競争度を捉えることができるかどうかをモンテカルロ・シミュレーションによって検証した。Booneは自らの手法を主に理論と現実のデータを用いて検証しているが、それらが統計的にどのような声質を持つのかについてはまだ明らかになっていなかった。そこで、Booneが例としてよく用いるクールノー・モデルから作られたデータにおいて、Boone指標が同じ競争度の経済を誤って異なると判別してしまう可能性が低いか、異なる競争度の経済を正しく異なると判別できるかをシミュレーションした。その結果、いくつかの指標の中でも、最も単純ないくつかの指標のパフォーマンスが優れていることが明らかとなった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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『経済志林』
巻: Vol. 80, No. 4 ページ: 131-147