研究課題/領域番号 |
22730262
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
渡辺 直樹 東洋大学, 経営学部, 助教 (00542515)
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キーワード | 金融論 / 経営学 |
研究概要 |
本研究課題は、わが国の企業統治について、データを用いた分析を行うことを主眼としていた。資料収集では、自ら報告を行った国際会議に加えて、ファイナンス関連で権威ある学会といわれるAmerica Finance Associationに出席し、最先端の論文に触れる機会を持つことができた。経営者報酬を扱った研究論文を執筆した。この研究論文については、アメリカのファイナンス関連の学会であるMidwest Finance Association(2011年2月)、South Western Finance Association(2011年3月)の年次総会でそれぞれ報告を行った。また、Midwest Finance Associationの依頼を受け、"Compensation"Sessionの座長(Moderator)を担当し、セッションの運営に携わった。別のセッションで報告されたS.Getsu氏らの共同研究論文の討論者も行った。2000年前半の経営者報酬を分析した論文である「経営者報酬と我が国の企業統治の変遷」についても、大銀協フォーラムの編集する研究助成論文集より発行された。企業統治に関しては、銀行業に関する分析した論文についても、検証を深めた。この研究論文については、Academy of lnternational Businessの査読つきのセッション(competitive session)で学会報告を行うことができた。それ以外にも、国際ワークショップである「2nd Workshop on Finance and Accounting Research in the Asian Pacific Region」(2011年9月)をはじめ、日本ファイナンス学会(2011年5月第19回大会)、一橋大学-ICS Faculty Seminar(2011年1l月)にて報告を行った。また、過年度より進めてきたコーポレートガバナンスの国際的な比較を進めるInternational Corporate Governance Projectを推進した。このプロジェクトは、世界20カ国の新規上場企業(Initial Public Offerings)についての分析を進めることを目的としているが、データ収集を含め大きな時間を要した。"Corporate Governance and Initial Public Offerings : An International Perspective"の日本に関連するセクションを担当し、上記の本は2012年3月にCambridge University Pressより発行された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
わが国の企業統治に関する検証を深めるため、欧米の最新の研究に触れたれたことは、大変大きな効果があったと思われる。特に、Academy of International Businessという世界的なレベルの学会の査読つきのセッション(competitive session)での報告できたこと、Midwest Finance Associationで座長を行うなど、欧米の研究者と意見交換を行うことができたことは、大きな収穫であった。また、コーポレートガバナンスの国際的な比較を進めるInternational Corporate Governance Projectにかかわることで、日本の分析に貢献することができたことも、わが国の企業統治の特性を見直す意味で大きな意義があった。またCambridge University Pressより論文を刊行いただくなど、大きな成果をあげることができた。
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今後の研究の推進方策 |
データの整備を進めた上で、学術論文にまとめる作業を進めることである。研究プロジェクトに関する基礎作りは、予定通り進んでいるため、その基礎に基づいた研究成果を挙げられるよう努力していきたい。
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