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2010 年度 実績報告書

20世紀における都市と産業-ドイツ・ゾーリンゲンの金属加工業の事例-

研究課題

研究課題/領域番号 22730273
研究機関早稲田大学

研究代表者

柳沢 のどか  早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (20547517)

キーワード経済史 / 都市史 / 産業史 / ドイツ史 / 金属加工業
研究概要

研究目的
欧米諸国の産業構造を歴史的に比較してみるとヨーロッパ、とくに、ドイツ、フランスなどのヨーロッパの大陸諸国は工芸品や贅沢品などの付加価値の高い製品の生産に強みを持っており、そのような製品はアメリカが大量生産方式を確立した1920年代以降も世界市場において国際競争力を持ってきた。この場合、製造の舞台の一つとなったのは地場産業の都市であった。本研究の目的は20世紀、とくに1920年代以降において地場産業都市がどのようにして国際競争力を維持してきたか、という点をドイツ・ゾーリンゲン市の金属加工業を事例に明らかにすることである。
研究方法1920年代にゾーリンゲンという地場産業都市がどのように国際競争力を維持したのか、という点を、企業家の社会問題解決への参加の度合、という観点から分析した。
研究成果
本年度、明らかにしたことは企業家の間に緩やかな団結がみられた点である。20世紀において、ドイツの諸都市は住宅不足に悩まされていたが、その際の住宅問題解決のありかたは企業家の支援の度合に左右されていた。手工業的・熟練的な技能への依存が大きく、企業規模が小さい都市であるゾーリンゲン市では、社宅建設-これは企業規模が大きい都市でみられた-ではなく、非営利住宅供給組織の住宅供給が活発であった。そしてその活発な住宅供給は、複数の比較的大きい企業家の出資によって支えられていた。同市ではそれら企業家の社会問題解決へむけてのゆるやかな結合がみられたのである。このような企業家間のゆるやかな結合、という点はゾーリンゲンがどのように国際競争力を維持したのか、ということを考える上で重要な指標になる。つまり、ゾーリンゲンの金属加工業経営者は製品輸出においても共同で活動していたことが推測されるのである。その活動の1つに「ゾーリンゲン・ブランド」の確立が挙げられる。この点については次年度に詳しく分析したい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 築80年・ドイツの団地から学ぶこと-非営利組織の住宅供給-(セミナー報告「欧州・都市・歴史(開始!)-近代建築を現代に繋げるヨーロッパ都市から日本の都市が学ぶこと-」)2011

    • 著者名/発表者名
      永山(柳沢)のどか
    • 雑誌名

      都市住宅学

      巻: 73号(掲載確定) ページ: 3-4

  • [雑誌論文] Familie, Beruf und Wohnung : Siedlung Weegerhof des Spar- und Bauvereins Solingen 1928/292010

    • 著者名/発表者名
      Yanagisawa, Nodoka
    • 雑誌名

      Zeitschrift des Bergischen Geschichtsvereins

      巻: 102 ページ: 75-107

    • 査読あり
  • [学会発表] 築80年・ドイツの団地から学ぶこと-非営利組織の住宅供給-2011

    • 著者名/発表者名
      永山(柳沢)のどか
    • 学会等名
      都市住宅学会セミナー
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2011-01-08
  • [学会発表] 1920年代ドイツ都市における住宅供給と企業家-1920年代ゾーリンゲン市の事例を中心に-2010

    • 著者名/発表者名
      永山のどか
    • 学会等名
      「現代ヨーロッパにおける都市と住宅にかんする歴史的研究」研究会
    • 発表場所
      学習院大学
    • 年月日
      2010-10-03

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公開日: 2012-07-19  

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