研究課題/領域番号 |
22730282
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
岡部 桂史 南山大学, 経営学部, 准教授 (60386472)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 農業機械 / 地方機械工業 / 総合商社 / 接収史料 |
研究概要 |
本研究3年度目となる平成24年度は,基本的に昨年度までの研究計画を踏まえ,国内外(北米・東京・関西他)の資料調査を積極的に実施し,研究の基礎となる資料および文献を収集した。特に本年度は三菱史料館(東京都)の調査を中心に,商社の機械取引と地方機械工業の関係を検討し,日本=アメリカ=アジアの多様な工業化について,国際関係史・比較史的な視点に基づく実証的な研究を進めた。 三菱史料館(東京)における三菱商事関連資料の調査・研究では,三菱商事の引継書,取締役会議事録の閲覧・複写を実施した。両資料は,国内における戦前の三菱商事研究の基本となるものであり,特に海外支店の引継書は商社の機械取引を明らかにする上で大変重要な資料となった。 その他,本年度は,関西(大阪府立中之島図書館,同中央図書館,神戸市立中央図書館等)地区の機械工業関係資料の調査研究,北海道(北海道大学)地区の機械工業関係資料の調査研究を実施したが,特に北海道に関しては,一部地域であるものの,アメリカ製の大型農業機械が導入されており,本研究の中で重要な柱となる資料を入手できた。 また本年度は研究成果の発表にも力を注ぎ,「三菱商事在米支店の対アジア機械取引」を第81回社会経済史学会全国大会(名古屋大学,2012年5月13日)で報告するとともに,1930年代の三菱商事と日産自動車の北米取引に関する論文をまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究3年度目を終えて,三菱商事関係の国内資料については,重要資料である引継書および取締役会議事録の閲覧・複写を実施し,資料面で大きな進捗を達成できた。また北海道調査では,従来資料的に不十分であったアメリカ製農業機械の普及および展開過程に関する資料を発見し,本研究の主目的である日本-アメリカの国際関係・比較史的研究の進展に一定の目処がついた。さらに,本年度は学会全国大会での報告も実施し,専門研究者からのコメントを得て,研究最終年度の取り纏めに向け,重要な示唆を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる平成25年度は,研究の取り纏めに向けて,これまで資料的に不十分なアジア-日本,アジア-アメリカ関係に焦点を絞って,資料調査を進めていきたい。アジア地域に関しては,史料状況について不明な点が多いため,専門家から適切な助言を受ける必要があると思われる。その他,国内資料,北米資料の調査も進め,研究計画に基づき,研究の総括に取り組みたい。
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