DVD機器や液晶関連製品などのエレクトロニクス製品において、日本企業がイノベーションを主導しながら、そこから大きな利益を獲得できない例が数多く報告され、関連する貴重な研究が蓄積されてきた。そして太陽電池もその一例である疑いが強い。既存研究は、特定分野に焦点を絞って詳細な調査を行ってきた。ところが太陽電池は半導体など他産業との技術的関連が強く、複数の製品間で類似技術を用いること、他分野から応用した技術を使うこと等を考慮に入れる必要がある。ここでは複数製品分野間の横断的な視点をもって太陽電池産業に関する探索的な研究を実施し、イノベーションと企業間競争に関する新たな分析枠組みを構築した。
|