研究課題/領域番号 |
22730295
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
神吉 直人 香川大学, 経済学部, 准教授 (90467671)
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キーワード | 意味的価値 / デザイン / 統合 / ネットワーク分析 |
研究概要 |
本研究の目的は、価値獲得につながる意味的価値の創造にとって重要な意味をもつ製品開発におけるデザインの実現に関して、デザインと技術の統合マネジメントの要点を検討することである。平成23年度は、平成22年度に引き続き「統合の担い手は誰か」という論点に関する理論的研究を行い、既存文献の調査と整理に努めた。それらをまとめた論文は、平成24年度4月中に所属機関の学内紀要への投稿を予定している。申請時には平成22年度に予定していたが、これは、デザインという概念が経営学において非常に広い領域に関わる概念であり、整理に大変時間を要した。デザインの概念は、定義が多岐に渡り、企業によって解釈がことなる。また、経営学においても組織論、戦略論、マーケティング論と横断的に議論されている。本研究では、MOT(技術経営)の視点からデザイン研究のアジェンダを整理している。 次に、携帯電話端末におけるデザインと技術の統合に関するインタビューの成果を、学内紀要にまとめた(近日刊行予定)。ここでは、デザインと技術の統合の担い手としてデザイナーがよりふさわしいということを、関連知識の性質(暗黙知および形式知)の観点から述べている。さらに、事例に関わったデザイナーの持論と行動を詳細に記述しており、持論から理論を導くリーダシップ論の研究に蓄積として貢献するものである。 また、共同研究者とのディスカッション、およびインタビューによる『組織科学』に投稿中の共著論文は継続して改稿を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記のように、デザインという概念が経営学において非常に広い領域に関わる概念であり、整理に苦労を要したことが大きい。また、講義など研究以外の仕事に多くの時間が割かれ、研究のための十分な時間が確保できたとはいえないことも挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
講義と研究のバランスを再考する。具体的には、担当講義で積極的に本研究に関する知見を盛り込む。そのために、講義の予習として本研究の関連文献を読み込む。 また、日本の主要な情報家電メーカーを対象としたインタビュー調査をさらに進める必要がある。しかし、研究者の本務校は首都圏から遠く、また日常業務もあるため、思うように上京してインタビューを行うことができない。週末の調査を依頼するなど、上手くスケジューリングを行うことが必要である。
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