研究課題/領域番号 |
22730308
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
高井 文子 東京理科大学, 経営学部, 准教授 (10408693)
|
キーワード | 経営学 / 経営組織論 / 経営戦略論 / イノベーション / テキストマイニング |
研究概要 |
23年度では、本研究の実質的な分析を行う期間であり、テキストマイニング分析を中心に十分な分析を行うことができた。 昨年度までにテキストマイニング分析に必要な、各企業のプレスリリースデータや日経4社記事等のテキストデータの収集を行い、それらをCSVデータ形式へ転換するといった作業を行っていたが、今年度は、テキストマイニング分析をおおかた終え、製品イノベーション・工程イノベーションのいずれに関わる戦略であるのかを分析し、イノベーションの発生件数を定量的かつ経時的に把握を行った。 その上で、オンライン証券業界のようなサービス業においても、(1)企業レベルでの「プロセス・イノベーション」 ならびに「プロダクト・イノベーション」は製造業で観測されたものに近い様相を呈すること、また、(2)イノベーションのサイクルにおける「流動期」のあとに登場する「ドミナント・デザイン」と「業績」との関係も相関があるということが、テキストマイニングの手法を用いて説明することが出来た。また、さらに、オンライン証券業界のドミナント・デザインに至る黎明期の企業間相互作用についても、定量的な分析を行うことで興味深い示唆を得ることが出来た。 これらの成果を踏まえ、24年度は、イノベーション・プロセスの各段階の推移パターンが、企業間のどのような相互作用を通じて形成されていくのかというメカニズムの詳細な解析と、論文作成・発表を精力的に行っていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既に上記9項で述べた通り、本研究の根幹にあたるテキストマイニング分析を行うことができ、非常に興味深い結果が得られたからである。
|
今後の研究の推進方策 |
23年度は分析期間に充てたため、外部への研究成果としての発表が出来なかったものの、既に論文のベースがほぼ完成している。今年度は学会発表、論文発表をそれぞれ複数行うとともに、研究内容の精緻化をしっかり行っていきたい。
|