研究課題/領域番号 |
22730319
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研究機関 | 川口短期大学 |
研究代表者 |
山本 重人 川口短期大学, ビジネス実務学科, 講師 (50533147)
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キーワード | 経営学 / コンテンツ / 組織デザイン / プロデューサー / プロデューサー・システム |
研究概要 |
映画・TV番組・アニメ・ゲームといったコンテンツを扱う産業において、作品であり商品でもあるコンテンツは、プロデューサーを中心としたプロデューサー・システムと呼ばれる製作組織によって作られている。本研究の目的は、プロデューサー・システムの主プレーヤーであるプロデューサーやディレクターの方々にインタビュー調査を行い、質的データを重ねて取得していくことで、コンテンツ産業の製作組織を捉える一般的な理論モデルを導出することにある。一般モデルが提示されると、それを基準として、各産業の各製作組織の違い、つまり主プレーヤーである出資者・プロデューサー・ディレクターの分業と調整のパターン(組織デザイン)の相違点を記述することが可能となる。こうした組織デザイン上の相違点を比較検討していくことで、資金回収を重視したモデル、資金回収よりも作品の芸術性を重視したモデルといった組織モデルを提示することが可能となる。本年度はテレビの人気長寿バラエティ番組のプロデューサーの方およびニュース番組のニュースデスク・放送部長といった方々にインタビュー調査を行った。バラエティ番組の方では、長寿番組で安定した視聴率をとっているだけあり、主たる視聴者層が知らないような若いゲストを何度も呼ぶなど挑戦的な試みをプロデューサー判断で行っていることが分かった。これはTVドラマが保守的な作品作りを強いられている状況とは対照的である。また、ニュース番組の方では、編集責任者の役割が重要で、他作業でいうプロデューサーに近い役割を果たしていることが分かった。編集責任者は、取り上げるニュースの取捨選択・順番・時間などを事細かく視聴率を意識した上で決定し、制作をされており、そこには作家性が見受けられた。その他の成果としては、研究発表として12月にDML(立命館大学)で招聘発表を行った。また、来年度のインタビューの確保も行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在まで、本研究が研究対象にしているコンテンツ業界の方々に概ね順調にインタビューを行うことができており、またインタビュー対象者の確保も順調に進んでいる。総じて、研究目的を達成するための調査は概ね順調と言える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までの調査によって、概ね質的データが揃って来ており、ようやく一般性のある理論モデルを提示できるまで進んできた。来年度は本研究課題の最終年度であり、研究成果を査読論文数編という形で公表したい。
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