今年度は、リーダーシップ研究においてフォロワーシップおよびフォロワー主体アプローチの既存研究を渉猟することを中心におこなった。その成果として、『まとめ役になれる!リーダーシップ入門講座』として出版した。この書籍は、学問の世界だけでなく学生および一般社会人に至るまで理解できるように平易な解説を心がけ、広く世間にリーダーシップに関する情報の提供とその重要性について意識の喚起を促した。 すでにデータ収集済の株式会社I.S.Tの企業家研究に関しては、データの整理を行い、論点を整理して、現在論文の執筆中である。なお、企業家に関する研究として、「戦前に学ぶ経営とリーダーシップ松永安左エ門「折れないリーダーシップ」」を研究の成果として上梓した。 現在進行中のプロジェクトとして、日本版フォロワーシップ測定尺度の開発を行っている。リーダーシップに関しては、すでに多くの研究成果が発表されている一方で、フォロワーシップに関してはほとんどない。フォロワーの存在を理解するうえでも、フォロワーシップの研究は不可欠であり、現在既存研究の整理を行い日本版フォロワーシップ尺度の原案を作成中である。なお、フォロワーシップに関しては、「リーダーシップにおけるフォロワーの責任」という論文を執筆し、フォロワーシップの重要性を主張している。 日本型フォロワーシップ尺度の開発に加えて、株式会社I.S.Tの比較対象の事例を探索しており、現在候補企業の絞り込みを行っている。候補の絞り込みが完了次第、調査先と交渉に入り、調査を実施する予定である。
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