研究課題/領域番号 |
22730326
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
三嶋 恒平 熊本学園大学, 商学部, 准教授 (90512765)
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キーワード | 国際経営 / 新興国 / モータリゼーション / 企業戦略 / イノベーション / オートバイ / インド / タイ |
研究概要 |
平成23年度は新興国のモータリゼーションの実態把握を更に進めるべく、インド、ミャンマー、タイ、フィリピンで調査を行った。発展段階や市場規模が異なるこれら各国の調査を通じて、新興国のモータリゼーションを多面的に捉えることができたことが平成23年度の一番の研究成果といえる。 インドでは四輪を巡るサプライチェーンの把握を念頭に、ホンダやトヨタなど日系完成車企業、豊田通商など自動車流通企業、ヒュンダイなどの自動車ディーラー、JETROなどの投資促進機関を訪問した。二輪では世界第2位の市場をほこるインドが四輪においてどのように拡大しつつあるのかを確認することができた。また、新興国の中でも生産拠点の整備が極めて不十分なミャンマーにおける二輪車市場の調査を通じて、新興国における二輪のモータリゼーションの萌芽期の実態をつかむことができた。ミャンマーの二輪車市場では北部は中国製品が、南部ではタイにおける日系企業が生産するタイ製品が流通していた。新興国では自国市場において生産拠点のための最小有効生産規模が確保できる可能性の有するオートバイであるが、工業化の基盤がなく、海外直接投資の誘致が不十分な国においては輸入代替を通じた供給体制の確立が困難な姿が示された。フィリピンにおいては、ASEAN諸国においても最も早くから工業化を果たしながら、その成果を十分挙げることができない要因を探るべく、ホンダやヤマハなど二輪完成車企業、補修市場、販売ディーラー、二輪ファイナンス企業を訪問した。あわせて、二輪ユーザーとして有望なヤシ油農民と密な取引のある化成企業も訪問し、消費動向を掴んだ。さらに技術面での最前線を考察すべく、小型エンジンの技術的な国際学会であるSETC2011にも参加した。新興国での展開を意識した報告や関係者のヒアリングもでき、供給側の新興国へのスタンスを確認することができた。 これらを踏まえ経営史学会第47回大会統一論題において報告を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実態調査を多様な新興国で行い、実態把握を進めることができていると判断できるため、(2)という評価を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は次の2つである。第1に新興国のひとつとしてアフリカあるいは中南米での実態調査を行うことである。第2にこれまでの実態把握と学会報告を踏まえ、論文としてまとめていくことである。
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