本年度の研究課題は, 本年度が本事業の最終年度にあたるために,主にこれまでの研究成果の継続および追加的調査として,次のことを調査課題とした。①スウェーデンの主要企業を過去20年間の企業パフォーマンスと「経営革新」の実行という基準で類型わけを行う,②具体的事例研究としてスウェーデンで活動する主要企業を取り上げ,そのコーポレート・ガバナンス体制の変化の推移を調査する,③近年のスウェーデンにおけるコーポレート・ガバナンス体制にかかわる議論の調査,である。 本年度の研究成果としては,①の課題については,やや進捗状況に遅れが生じていたが,最終的には現地で収集した文献資料・データ等にもとづきおおむね達成できた。②の課題については,企業へのヒアリング調査においてアポイントメントが取りにくく,計画通りには進まなかったものの,不足する情報に関しては文献資料等を用いて補完することができた。③の課題については,特にスウェーデンで活動する外国企業のコーポレート・ガバナンスの状況や,M&Aを通じてスウェーデン企業が外国籍となった場合のコーポレート・ガバナンス制度の変化,また近年,EUにおいても課題とされている,取締役会における女性比率上昇へのスウェーデンにおける対策などについて,関係する団体・機関にヒアリングすることができた。これらの知見は,年度内には公表する形でまとめることができなかったが,次年度中には研究成果として順次公表される予定である。
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