研究課題
本研究の第1の対象は、タイの近代小売業態ハイパーマーケットの地方進出とその現地経済へのインパクトの分析である。研究計画の最終年度にあたる本年度では、これまでの家計調査、事業者へのインタビュー、公刊統計をとりまとめ、東北地方都市におけるハイパーマーケット進出について以下3つの知見を明らかにした。第1に、ウボンにおける中間所得層の層の薄さにより、旅行者や中低所得層という首都圏とは異なる顧客層をターゲットにしていること、第2に、地元の中小小売業者には脅威を与えているが、品目や役割によって共存関係もありえること、第3に、農産物流通においては伝統的流通機構に依存しつつもセンター配送を実現し、その結果消費者にはハイパーマーケットの得意分野(日用品)と不得意分野(野菜類)が認識されていることを明らかにした。この成果を英文のレフェリー制学術雑誌に投稿し、掲載に至った(“Impact of hypermarkets on consumption and distribution in rural areas: case study of Ubon Ratchathani in northeastern Thailand”, The International Review of Retail, Distribution and Consumer Research, April 2013)。本研究のもう一つの対象である小売近代化のメーカーの流通チャネルへの影響については、化粧品・トイレタリー産業についてインタビュー調査や市場調査データの活用による市場分析を行い、小売近代化以降の小売直販化の更なる進展や、大規模小売店との商談手法の標準化、さらには従来メーカーが培ってきた店頭ノウハウの移転の進展を明らかにした。本内容は、平成25年度以降に交付内定を受けた基盤C研究でさらに発展させる予定である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)
The International Review of Retail, Distribution and Consumer Research
巻: Volume 23, Issue 2 ページ: 1-15
Discussion paper series (Saitama University)
巻: №6 ページ: 1-23