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2011 年度 実績報告書

有機農産物の市場浸透における信頼の役割

研究課題

研究課題/領域番号 22730337
研究機関宮城大学

研究代表者

谷口 葉子  宮城大学, 食産業学部, 助教 (60507432)

キーワード有機農産物 / 一般的信頼 / 購買チャネル / ドイツ
研究概要

平成23年度は有機農産物の市場浸透における信頼の役割を、国内外で実施したアンケートの比較を通じて検証した。比較対象国として、有機食品が近年主流化を遂げたと言われるドイツを選定した。調査の結果、ドイツは日本と比べて有機野菜の購買層が厚く(日本の16.8%に対し46.3%)、9割の回答者が普段利用している小売店で購入することができると回答していた。このことから、ドイツは日本よりも有機野菜の市場浸透が進んでいることが確認された。
有機野菜を購入する際に最もよく利用する購買チャネルとして量販店を挙げた回答者は日独両国ともに約60%であったが、日本では宅配利用者が多く(ドイツが0.6%であるのに対し日本は13.7%)、ファーマーズマーケットでの利用者が少ない(ドイツが13.0%であるのに対し日本は3.4%)。このことから、日本はドイツと比較してより閉鎖的な購買チャネルが選択される傾向にあることが確認できた。
量販店のような「開かれた」チャネルにおいて有機農産物の流通が成功するには、それが真に有機栽培されたものであるか否か、外部不経済の緩和のために他の消費者も進んで購入するか否かといった、有機農産物を巡る様々な不確実性に対し、消費者の一般的信頼が強固に形成されている必要がある。そこで有機野菜の購買チャネルと消費者の一般的信頼度との関係を分析した結果、有機野菜の購買頻度と一般的信頼度との間に関連性が認められ、高信頼者ほど有機野菜を購入していることが明らかになった。また、国内の調査では量販店を主要な購買チャネルとして選択している購買層に高信頼者が多いという傾向も観察されたが、ドイツの調査では高信頼者ほど一般の量販店よりも自然食品店などの専門的小売店を利用する傾向がみられた。日独両国では表示への信頼性も異なると考えられることから、今後さらなる比較検討が必要である。

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公開日: 2013-06-26  

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