研究概要 |
今年度は主に文献サーベイと分析データの入手・整理を中心に行った。研究テーマに関する論文は主に、北米のTop Tierと呼ばれる雑誌(Accounting Review,Journal of Accounting Research,Journal of Accounting and Economics,Review of Accounting Studies,Contemporary Accounting Research)に収録されていることもあり、これらの雑誌から研究テーマに関連する論文を大量に収集し、そのサーベイを行った。この作業により、研究テーマに関する最新の動向を把握できるようになった。また分析データの入手・整理については、本研究で必要なデータ(経営者の業績予想データ、アナリストの利益予想・レーティングデータ、株価データ)のうち、まだ入手していなかった年のデータを購入し、その整理を行った。ただ大量のデータを今年度に入手したこともあり、現時点ではその整理が完了しておらず、来年度も引き続きデータ整理を行う予定である。今年度入手した平成20年以降のデータは、100年に1度と言われる金融危機の影響もあり、市場全体が弱気のセンチメントに傾いた時期である。それ以前の強気なセンチメント時とは経営者、アナリスト、市場の行動が大きく異なると思われるため、行動ファイナンスをベースにセンチメントの議論を整理しなければならない。この点については今後の課題である。今年度の作業は全体的に、来年度以降の分析の基礎を固めるための準備作業であった。来年度は、今年度の作業を活かすためにも、経営者、アナリスト、資本市場の相互作用に関する理論的かつ実証的な研究を積極的に進める予定である。
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