• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

成果報酬システムと予算管理の関係が管理者の逆機能的行動に与える影響の検証

研究課題

研究課題/領域番号 22730373
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

福田 直樹  兵庫県立大学, 経営学研究科, 准教授 (90388405)

キーワード予算管理 / 逆機能行動 / 予算スラック / 日本企業
研究概要

平成23年度は,文献レビューの他に日本企業における予算管理実践の実態を探るべく複数企業(4社)に対するインダビュー調査を実施した。インタビューにおいては,逆機能的行動の1つとしても挙げられる予算スラックの設定行動に関しても調査を行った。その結果,日本企業におげる予算管理では,事前統制と期中統制の段階において,インターラクションと情報共有を高めるさまざまな仕組みが機能しており,結果的に予算スラックを低水準に保っていること,また事後統制段階においても,予算業績と報酬との弱いリンクによってストレッチな予算目標の設定を可能にし,結果的に予算スラックを低水準に抑制していることなどを明らかにした。
当初の研究目的では,日本企業において成果報酬システムが導入されて以降,なぜ予算管理の逆機能が,多くの日本企業で従来よりも顕著に見られるようになってきたのか,および,成果報酬システムと予算管理がそれぞれどのように設計,実践される時にそれらは低減されるのかについて関心を持ってきた。成果報酬システムと予算管理の逆機能との直接的な関係については十分な調査ができていないものの,予算スラックを掬制ずるために日本企業が行っている仕組みのメカニズムに関して,事前統制・期中統制・事後統制の各段階別に明らかにすることで,日本企業の予算管理の逆機能を低減するための特徴の一端を解明することができたと考える。
以上の結果は,「予算スラックと日本的予算管理」および「目標としての予算に関する実態調査:日本企業4社の比較ケース・スタディ」にまとめられている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでの調査を通じて,日本企業の予算管理実態と予算管理プロセスにおける逆機能的行動の低減のメカニズムについて明らかにすることができた。しかし,成果報酬システムと予算管理の逆機能との直接的な関係については,これまでの日本企業に対するインタビュー調査を通じて調査することが予想以上に困難であった。今後もインタビュー調査を控えているものの,これまでと同様に上記関係を調査することが困難なようであれば,研究計画の一部変更を視野に入れることも検討している。

今後の研究の推進方策

11.でも説明したように,今後調査を継続する中で,成果報酬システムと予算管理の逆機能等の直接的な関係を調査することがこれまでと同様に困難であれば,研究計画の一部変更も考えている。今後,文献レビューやインタビュー調査の結果を十分に踏まえた上で検討していきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 予算スラックと日本的予算管理2012

    • 著者名/発表者名
      李建・松木智子・福田直樹
    • 雑誌名

      京都学園大学経営学部論集

      巻: 21/2 ページ: 31-53

  • [雑誌論文] 目標としての予算に関する実態調査:日本企業4社の比較ケース・スタディ2012

    • 著者名/発表者名
      松木智子・福田直樹・李建
    • 雑誌名

      帝塚山経済・経営論集

      巻: 22 ページ: 37-54

  • [学会発表] 日本企業における予算のコントロール機能:4社のヒアリングからの比較2011

    • 著者名/発表者名
      松木智子・福田直樹・李建
    • 学会等名
      日本管理会計学会2011年度年次全国大会
    • 発表場所
      関西大学千里山キャンパス(大阪府)
    • 年月日
      2011-10-08

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi