本研究は、森林所有者や森林組合等の事業者が原価管理や持続可能な森林管理等に利活用できる原価計算・環境会計を提示した。森林管理には、森林生態系の保全というストック管理と、植林や間伐等の作業にかかる経費(森林生態系の保全に要するインフロー)の管理、木材生産及び環境的役割(森林生態系が生み出すアウトフロー)の管理という、ストックとフローの関係がある。この関係に基づいて、原価管理及び資産価格(立木原価)の決定手法である原価計算と、コストベネフィット分析に基づく環境会計のしくみを連携させる形で、効率的かつ効果的な森林管理ツールの開発を目指した。
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