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2012 年度 実績報告書

世代間所得移動の推定と国際比較研究からみた日本における機会の平等・不平等性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 22730382
研究機関静岡大学

研究代表者

吉田 崇  静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (80455774)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード世代間所得移動 / 世代間移動 / 機会の平等 / 国際比較
研究概要

本研究の目的は、世代間所得移動の推定によって、国際比較の観点から日本における機会の平等・不平等度を評価することである。世代間所得移動は、親子間の所得の相関係数や回帰係数として測定されるが、そのためには親子2世代にわたる長期パネルデータの蓄積が必要である。欧米では1990年代以降、急速に研究蓄積が進み、近年は国際比較研究も盛んになる一方で、日本では利用可能なデータの蓄積がないため、実証研究がほとんど存在せず、国際比較のための数値が提供されない状態が続いていた。本研究では、この欠落を補うことを第一の目的としている。Bjorklund&Jantti(1997)によって開発された父所得の推定値を用いて所得移動を間接推定するという方法を採用することで、データの制約を克服している。この方法は詳細な父属性情報を有する繰り返し横断調査の蓄積が必要となるが、1955年からの伝統を有する「社会階層と社会移動全国調査(SSM調査)」がこの条件を満たしている。
本研究の実績は次の2つの論文として発表した。(1)石田浩ほか編『現代の階層社会2』東京大学出版会)所収の論文と、(2)英文ジャーナル(Journal of Population Economics)に掲載決定となった共著論文である。(1)の主な知見は、日本における世代間所得弾力性は国際的にみて中くらいの水準である、1985年から2005年にかけて親子間の所得の関連が強まったとする証拠はない、父所得による子の教育機会格差はコーホート間で縮まっていない、というもので、おおむね社会学における世代間社会移動(職業階層移動)の研究とも整合的であった。(2)の意義としては、日本における世代間所得弾力性は約0.35と国際的にみて中程度の水準であること、所得移動度は時間的に安定していること、所得移動を父娘間にも拡張したこと、を挙げることができる。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Intergenerational earnings mobility in Japan among sons and daughters: levels and trends2013

    • 著者名/発表者名
      Arnaud Lefranc, Fumiaki Ojima, and Takashi Yo sh id a
    • 雑誌名

      Journal of Population Economics

      ページ: online first

    • DOI

      DOI: 10.1007/s00148-012-0464-2

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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