研究課題/領域番号 |
22730388
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
五十嵐 素子 上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (70413292)
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キーワード | 相互行為 / 学習経験 / 教授知識 / エスノメソドロジー |
研究概要 |
本研究は、社会学のエスノメソドロジーの方法論に基づき、授業の学習経験や教授知識を授業の相互行為上で組織化されるものとして分析する。本研究で明らかにするのは(1)様々な形態の学習活動における、学習経験・教授知識の組織化のあり方(2)学習集団に共有された慣習や人間関係が教育実践の設計において持つ意味(3)教師の授業づくりの困難さの改善に資する知見、の3点である。具体的には、教育実践の設計に関わる相互行為上の諸資源(学習集団に共有された慣習や人間関係)を明らかにしそれらが教育実践の設計と実施にどのように関わっていることで授業づくりの困難性がどのように生じるのか、その改善の可能性について明らかにする。さらにこれらの作業を通じて、社会学の相互行為分析の方法論を授業研究の方法論として洗練させる。22年度に引き続き23年度も、学習者同士の交流や多様な形態の学習活動を含んだ教育実践のデータの収集・整理を行なった。具体的には、外国語活動における海外との遠隔コミュニケーションの実践(5月・6月)、遊びやゲーム活動を取り入れて探求的な思考を促す理科の実践(6月)、英語劇の創作や実演によるアウトプットを組み込んだ英語科の実践(12-3月)、一斉授業の参加の素地を形成するための幼稚園の実践(3月)のデータの収集・整理し、公開に必要な部分については個人情報を排除するため転記して相互行為分析のためのデータを作成した。また遊びやゲーム活動を取り入れた実践の分析を行い、授業者と相互討議を通じて、実践の設計についての理解を深めることができた(3月)、また学習活動のデザインに関する視点について論文を発表した(3月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
成果発表がやや滞ってはいるが、校種や学年や教科が偏らず、一斉授業にとどまらない、多様な学習活動を収集することができている。また、学校現場との連携も、ラポールを築きながら順調に行ないつつある。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果の促進のために、関係する領域の研究者や、授業実践者らと共同で成果発表していくことを検討している。
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