本研究は、社会学のエスノメソドロジーの方法論に基づき、授業の学習経験や教授知識を授業の相互行為上で組織化されるものとして分析した。特に、本研究が明らかにしたのは、(1)学習経験や教授知識が、教師と生徒の相互行為を通じてどのように組織化されているのか、(2)学級に共有された独自の慣習や人間関係、環境としての教具・メディアといった諸資源が、教育実践においてどのような意味や効果を持つものとなっているのか、(3)授業づくりの困難を改善するため、その学習活動の設計において有効となる見方や観点、の3点である。
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