研究課題/領域番号 |
22730395
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
矢部 拓也 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (20363129)
|
キーワード | 中心市街地活性化 / まちづくり / 縮小社会 / ガバナンス / 地方都市 / 学生 / コモンズ / 都市再生 |
研究概要 |
本年度は、熊本市の商店街およびまちつくり会社、福岡市の中心市街地、大牟田市・荒尾市の中心市街地、長野県下諏訪町の御町商店街が行った秋葉原駅周辺高架下の「2K540」でパイロット店、北海道ニセコ町のまちづくり活動、富山市の中心市街地およびまちづくり会社、金沢市の学生を中心としたまちづくり活動、滋賀県長浜市の中心市街地およびまちづくり会社、震災関係として宮城県女川町のコンテナ商店街へのヒヤリングおよびフィールドワークを行った。 これまでは縮小する既存市街地をフィールドとして、日本人を中心とするまちづくり活動を対象とした新たなコモンズ形成にむけての比較研究を想定していたが、本年度、新たに、震災で壊滅的被害を受け、いわばマイナスからのまちづくり活動を行っている宮城県女川町のコンテナ商店街と、多くの外国人が流入することでまちづくり活動があらたな動きをみせている北海道ニセコ町において、研究する機会を得ることが出来た。 強制的な形で極端な縮小を経験した地域と、それとは対極にグローバル化により拡大社会を経験しつつある地域を比較対象にいれることで、最終年産に向けて、より普遍性の高い比較モデルづくりに考えている。また、富山市、金沢市では学生を中心としたまちづくり活動を積極的に行おうとしていた。これは大学の地域貢献活動といったある種の政策と連携した全国的な傾向でもあるので、水平展開が行われ新たなコモンズ形成の可能性を持っているのと同時に、現状では、単なる大学の地域貢献アピールにとどまり、地域活性化や新たなコモンズ形成には結びつかない可能性を含んでいる点を指摘した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度、新たな研究対象として、被災地域である宮城県女川町コンテナ商店街と、グローバル化を経験している北海道ニセコ町を組み入れたことにより、これまでの研究モデルめ修正が必要となり、理論化が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでは、日本人を中心とする衰退しつつあるコミュニティを対象とするまちづくり活動のみを対象としていたが、その周辺部分である、震災による急激な衰退と、逆にグローバル化による拡大を経験しているコミュニティを研究対象にすることで、これまでのモデルをより普遍性の高いモノに洗練させてゆく。
|