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2011 年度 実績報告書

アルヴァックスの階級論から集合的記憶論への連続性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22730401
研究機関聖学院大学

研究代表者

横山 寿世理  聖学院大学, 政治経済学部, 助授 (00408981)

キーワードアルヴァックス / 集合的記憶 / 集合的保存 / 記憶の社会的枠 / 労働者階級と生活水準 / 原爆文学批評
研究概要

当該年度の「研究の目的」は、集団において共有される「保存」機能を果たす集合的記憶論を明らかにすることにあった。この目的に照らした「研究実施計画」は、すでに継承が難しくなっている被爆体験の世代間継承において集合的記憶の意義をまとめることであった。
この研究の目的および研究実施計画は、第59回関東社会学会大会テーマセッション(1)戦争体験の世代間継承「(1)被爆の記憶と戦争体験の継承」(平成23年6月18日)で、戦争体験を継承するという共通テーマの下、「原爆文学『研究』という集合的記憶」と題した報告で概ね果たせたと言える。この報告では、原爆を題材にして書かれた原爆文学に関する批評を、文学界における被爆の世代間継承方法として捉え、この営みを集合的記憶として説明することを目指した。
この報告に先立ち、4月には4泊で広島県立図書館および広島市立図書館での原爆文学批評の収集にあたった。国立国会図書館に所収されていない同人誌に掲載された批評も集めることができたため、今後の原爆文学批評の分析にも役立つと考えられる。
申請当初は原爆文学批評を研究対象とすることは想定していなかったが、初年度(平成22年度)の研究実績により、集合的保存機能を併せ持つ集合的記憶論を導出することができたため、その集合的記憶論を経験的事象において展開することが2年目(平成23年度)の計画となり、成果となった。
ただし、当初の予定どおり、『労働者階級と生活水準』の読解についても徐々に進めており、新たに研究計画に加えた経験的事象における集合的記憶論の重要概念となるだろう「空間的枠」の具体化に取り組んでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時の目的であった「保存としての記憶論」の側面は、初年度(平成22年度)の研究成果である程度達成されている。その目的の手段に据えていたアルヴァックス階級論の明確化については、まだ不完全であるが、当初の目的自体はほぼ果たしており、現在はその保存としての記憶論の演繹的過程において原爆文学批評分析を行っていることになる。

今後の研究の推進方策

前述の通り、申請時の研究手段であったアルヴァックス階級論の明確化のため、文献収集と読解を進めるのはもちろんであるが、申請時より原爆文学批評という研究対象が新たに付け加わっている。その対応策としては、保存としての記憶論の具体的事例として「原爆文学批評という集合的記憶」を論文にして、レフェリー制機関誌に投稿することにしたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 原爆文学「研究」という集合的記憶2011

    • 著者名/発表者名
      横山寿世理
    • 学会等名
      関東社会学会大会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2011-06-18

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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