本研究では、準限界集落化する地域(福井市棗地区)を調査対象地域とし、アクション・リサーチの手法を用いて、社会調査教育を行った。次に、その過程を実証的に分析し、社会調査教育の効果と限界を析出した。その結果、以下の2点が明らかとなった。1、地域調査の継続によって、地域の30代~40代の世代が、次第に地域の催しの担い手になって行った。同時に、地域の人たちは、SNSを用いた情報発信によって、地域社会が持つ資源の再発見と客観的把握を行っている。2、学生たちは、フィールドワークの現場で、それぞれの得手・不得手を自覚し、自らの資質を再評価していく。本研究を通して、このプロセスが、学生たちの卒業後のキャリアに対して、直接的・間接的に影響を与えることが分かった。
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