研究課題/領域番号 |
22730424
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研究機関 | 神戸国際大学 |
研究代表者 |
松本 かおり 神戸国際大学, 経済学部, 講師 (80513796)
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キーワード | 大学生 / 就職 / ロシア / ウラジオストク / 社会調査 / 社会意識 / 社会変動 / キャリアセンター |
研究概要 |
第1には、ロシアの大学生の就職活動や就職に対する意識についての研究を行った。昨年度、ウラジオストクの極東連邦大学で実施した、「極東の若年層労働市場発展の展望」での学会報告や学生就職活動・実践組織課長Γ.ポポフ氏へのインタビューを発展させるため、モスクワのロシア国立高等経済大学やロシア国立人文大学のキャリアセンターを訪問し、学生の就職支援にかんするインタビューを実施した。これにより、ウラジオストク(極東)に限らず、モスクワの大学生も日本企業に対する関心が高いこと、ロシア人学生の採用に関心を持っている日本企業が、極東よりもむしろ数多くあることがわかった。これらの研究成果について執筆した論文は、『ユーラシア研究』に掲載される予定である。 また、ロシア国立高等経済大学の社会学部を訪問し、現在のロシアの大学生をとりまく労働市場と教育の問題について、L.コサルス氏、Yローシャ氏、I.パヴリュートキン氏と話し合い、今後の研究に必要な資料の提供を受けた。 第2には、ウラジオストクの定点調査と日本に対する関心についての研究を行った。APEC開催を控え、急激な変化を遂げる状況を受けて、報告者は、ウラジオストクとナホトカで、ロシアの経済文化、特にサービス業の問題についての講演を行った(在ウラジオストク日本センターによる招待)。日本のサービス業の成果に対する関心や期待は非常に高く、企業の人事担当者を中心に、両都市でそれぞれ100人近い受講者が集まった。講演後のアンケート結果によれば、ロシアの経済文化の問題には気づいてもらえたが、日本の(彼らの表現にすればアジア的な)経済文化に対する心理的な抵抗感が、今もかなり根強いことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ロシア、特にウラジオストクの若者の職業に対する意識について、ロシアの大学のキャリアセンターの調査など、多面的に研究することができていると考える一方で、調査データの整理などの作業が十分に進んでいない。学生指導、授業、キャリア関係の校務にとられる時間が予想以上に大きかった。
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今後の研究の推進方策 |
ロシア国立高等経済大学の研究者から受けた基本文献のレビューをし、ロシアの大学生の就職活動についてさらに研究を進めたい。また、アルバイトを活用するなど、円滑にデータ整理を進められるようにしたい。
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