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2011 年度 実績報告書

ミクロレベルに着目した少子化の解明と社会経済・環境効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22730428
研究機関国立社会保障・人口問題研究所

研究代表者

岩澤 美帆  国立社会保障・人口問題研究所, 人口動向研究部, 第1室長 (50415832)

キーワード出生 / 出生意図
研究概要

日本では、出生率が低下し、生まれる子どもの数が減っていることが社会問題とみなされるようになって久しいが、本研究では、そうした状況のもと、その子どもがどのような環境のもとで生まれているのかに着目し、そこに存在する課題を明らかにすることを目的としている。意図しない出生は、母親の健康や子どもの養育過程における社会経済的環境に対し不利に働きやすいことが先行研究で明らかになっている。本年度は日本における出生意図別の出生発生の実態を明らかにし、その発生のパターンが米国などで問題となっているような経済格差の拡大といった問題に結びついているのかを検証するため、先行研究の整理とデータの精査、分析枠組みの検討を行った。米国と日本との発生状況の比較においては、出生意図に関する調査項目に重要な違いがあるため(日本では妊娠前に「とくに考えていなかった」という意図した出生、意図しない出生のいずれにも分類可能な回答割合が高い)、単純な比較を避け、この回答が意図的/非意図的のいずれの回答に近いかなどの検討を行った。日本における「とくに考えていなかった」との回答は、教育水準による違いという観点からは、意図した出生との類似性が強いことがわかった。なお、このような出生意図の回答パターンの違いは、文化的な要因による可能性もあるので、欧米と日本との比較だけでなく、東アジア諸国など、文化的に近い地域における出生意図の回答パターンも情報収集し、地域比較に関する説明を補強する必要性が明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

国際比較を目的としているため、調査項目の対応や、社会経済的指標(今回は教育水準)の比較可能性に関する精査に時間をかけている。

今後の研究の推進方策

意図しない出生の発生状況の実態把握は概ね完了したので、日本における発生パターン(教育水準との関係)と米国との違いが、どのようなメカニズムで解釈可能かといった、仮説の検証に進む予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 意図しない出生の日米比較:教育水準別格差に着目して2011

    • 著者名/発表者名
      岩洋美帆(ジェームズ・レイモと共同報告)
    • 学会等名
      日本人口学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2011-06-12

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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