最終年度にあたる平成25年度は、これまでの調査結果の分析を踏まえて、要因抽出と仮説形成作業を行い、多文化ソーシャルワーク実践におけるICTの活用の課題と地域コミュニティでの外国人定住支援への効果を明らかにするとともに、支援者および当事者とともに、移民定住支援におけるICT活用の具体的な課題を整理し、新たな多文化ソーシャルワークのモデルプログラム作成へ準備基盤を築くことができた。 その効果を具体的に検証するために、外国人若者の映像制作支援を取り組む中でモデルプログラムを作成した。さらに、ICTを活用した外国人と日本人コミュニティとのつながりの再構築の実践モデルが障害者の生活支援分野においても応用可能であることをオーストラリアでの訪問調査で明らかにするとともに、その分析結果を踏まえて、ソーシャルワーカーを中心とした支援者向けのデジタルメディア活用に関するワークショップやプログラム開発検討会を複数回開催した。この検討会には、本研究に外国人当事者として参加していた学生が支援を受ける立場ではなく、支援を行う立場として、日本人大学生やソーシャルワーカーとともにサポートに参加し、プログラム開発に参画することができた。外国人のみにとどまらない、障害者、高齢者等の社会的なマイノリティに対するコミュニティとのつながりの再構築を目的としたあらたなソーシャルワーク実践プログラムの構築を試みた。
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