研究課題/領域番号 |
22730438
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
西内 章 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (80364131)
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キーワード | ソーシャルワーク / 高齢者福祉 / 地域福祉 / 保健・医療・福祉 |
研究概要 |
平成23年度は、保健・医療・福祉専門職の連携・協働について、文献研究と調査研究を行った。 1.文献研究では、中山間地域および限界集落の生活課題について先行研究をもとに整理した。また生活を支える保健・医療・福祉の関連するサービスなどの社会資源を検討した。特に、限界集落を抱える中山間地域では、保健・医療・福祉分野をつなぐために、情報通信技術を導入している地域がみられ、限られた資源を有効に活用するネットワーク・システムを構築しようとする様々な動きがある。なお、情報通信技術をもちいたネットワークについては、当該地域で、今後、有効に活用することが課題となっている。また、保健・医療・福祉専門職の連携・協働の概念となるIPW(inter-professional work)や連携、協働それぞれの概念整理と実践枠組み、実践課題を整理した。 2.調査研究の結果としては、本研究の基礎調査として、インタビュー調査を実施し、ソーシャルワーカーや臨床心理士等に対象に、連携や協働に対する認識を調査した。また、一昨年度、本研究の基礎研究として、高知県内の保健・医療・福祉専門職の連携・協働に対して行ったアンケート調査を実施したが、その結果について、本年度の文献研究の成果をもとに考察を加筆し、平成23年11月の日本保健医療福祉連携教育学会にて、学会発表を行った。そして、その後、本研究の成果に活かすために、調査研究の結果をふまえ文献研究を継続した。 3.平成23年度の研究成果をまとめると、連携・協働のモデルでは、インター・ディシプリナリ・モデル、マルチ・ディシプリナリ・モデル、トランス・ディシプリナリ・モデルによる具体的な展開を地域で展開するための課題、中山間地域および限界集落において、保健医療福祉のネットワークを構築するためには、地域の将来像を描き、集落の人口が減少しても維持できるネットワーク・システムへの具体的な課題をまとめることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画のうち、限界集落における住民への調査については、先方の都合もあり、実施が遅れているが、その他については、学会発表を2年連続で行うことができるなど、成果をまとめており、その他は予定どおり進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
限界集落における住民への調査については、日程調整を十分に行い、グループインタビュー調査など可能なものから実施したい。事例調査については、研究倫理に従い、個人情報に留意し、丁寧に進めて行く予定である。 また、24年度は研究全体をまとめる段階にあり、3年間の研究を整理しながら進め、データが足りない部分については、適宜、補足調査を実施する。
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