研究概要 |
1,高齢者の社会・生産的活動に関して、その関連要因、ウェルビーイング(well-being)との関連について縦断的検討を行うため、初回調査で使用する調査票を作成した。調査票に採用した主な調査項目は、先行する研究や調査を検討し、高齢者の基本情報のほか、社会・生産的活動項目、参加団体・組織の内容、新たに開発した「日頃の活動満足度尺度」と「社会活動に関連する過ごし方満足度尺度」、生活満足度、抑うつ度とした。 2.郵送により実施する調査の対象者は、都市部の高齢者(65~79歳)とし、千葉県4市を選択した。この千葉県4市それぞれから住民基本台帳閲覧の許可を得て、各市500人を無作為抽出した。4市の計2,000人を対象に、8月末に郵送調査を実施した。調査の結果、有効回答数(率)は、1067人(53.4%)であった。 3.有効回答の調査票をもとに、初回調査のデータベースを作成した。有効回答数1067人のうち代理回答は42人であった。代理回答を除外した1025人の平均年齢は、71.2歳、性別は、男性が49.8%、女性が49.1%、無回答が1.2%であった。社会・生産的活動の主要な項目をもとに、活動あり群となし群の間に、日頃の活動満足度得点および社会活動に関連する過ごし方満足度得点に差があるかを分析した。その結果、趣味の会などの仲間うちの活動、町内会・自治会活動、高齢者クラブ活動、ボランティア活動、別居家族の介護や手伝い、友人や近所の人の介護や手伝いは、活動なし群よりもあり群の方が、いずれの満足度得点も高かった。同居家族の介護などの世話については、活動あり群よりもなし群の方が、日頃の活動満足度得点が高かった。社会活動に関連する過ごし方満足度得点に関しては、両群の間に差はみられなかった。
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