本研究では、支援が必要な入居者家族の姿を明らかにし、さらにSTAI を使った不安感情の測定を手掛かりに、家族同士による支援の有効性を検討した。本研究の調査対象は、G県内の特別養護老人ホームで、当方の調査に対して協力の意思のあった施設(4カ所)の家族 24 名である。インタビューの前後で、STAI(状態-特性不安尺度)の日本語版を用いてアンケートを実施し、入居者家族の心理状態の変化を測定した。測定の結果、インタビュー後の状態不安は 43.4 から 39.6 に低下した。このことから、入居者家族同士のピアサポートの機会が家族の不安軽減に有効に作用したと推察できる。
|