本研究においては、成人期の知的障害者の生活の場の移行に関しての日本と海外の比較研究を行なった。日本では、成人期の知的障害者の地域での自立した暮らしが進まない要因の一つに親の意識ということが考えられる。今回の研究では、実際に移行を経験した親、移行を経験する前の親へのインタビュー調査を行ない、生活の場の移行についてどのような契機で考え、実行されているのか(なぜ実行されないのか)、移行後の親子関係や親役割はどのような状況にあるのかについて調査を行なった。 また日本の状況を相対化するために成人期以降の障害者の自立が自明視されているデンマーク、フィンランドにおいて調査を行なった。
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