研究課題/領域番号 |
22730459
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研究機関 | 滋慶医療科学大学院大学 |
研究代表者 |
小野セレスタ 摩耶 滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 講師 (80566729)
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キーワード | 次世代育成支援 / 児童福祉 / 子ども家庭福祉 / 利用者評価 |
研究概要 |
本年度は、昨年度と同様、兵庫県伊丹市と連携しながらM-D&Dの研究手法に基づいて(1)フェーズII(たたき台の作成)および(2)フェーズIII(たたき台の試行)を中心に研究を進めた。 (1)では、まず昨年度分類した子育て支援事業の3類型(「ひろば系」「保育系」「講座系」)のうち、平成23年度に利用者評価試行が可能な事業を伊丹市と協議しながら抽出した。その結果、「ひろば系」1事業(地域子育て支援拠点事業)、「保育系」6事業(ファミリーサポートセンター事業、地域子育てバックアップ事業、体験保育、一時保育、休日保育、放課後児童健全育成事業)の合計7事業について評価試行を実施することとした。次に、「ひろば系」「保育系」の利用者評価票のたたき台を作成した。項目作成は、平成22年度実施したフォーカス・グループ・インタビュー結果および文献研究から行い、伊丹市職員および現場関係者、研究者によるチェックを経て利用者評価票試行版(以下、試行版)とした。 (2)では、先に示した7事業について試行を実施した。「ひろば系」の地域子育て支援拠点事業では伊丹市で実施されている全てについて、「保育系」では、ファミリーサポートセンター事業、体験保育、一時保育、休日保育の4事業は、昨年度から本年度の利用者全てを対象に、地域子育てバックアップ事業、放課後児童健全育成事業の2事業では、すべての実施場所で試行を行った。試行調査実施期間は、2011年7月中旬から8月中旬である。分析の結果、「ひろば系」「保育系」試行版のいずれについても、信頼性と妥当性の確保を行うことができたが、一方で改良が必要な点も明らかとなった。また、試行版の結果を平成23年度の利用者評価結果としても取扱い、伊丹市次世代育成支援対策地域協議会に「試行調査結果報告書」を提出し、進捗状況確認の役割を果たすことができた。最終年度は、さらに試行可能な事業を拡大するとともに、試行版の改良を行いフェーズIVに向けた準備を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたフェーズIIの「たたき台の作成」とフェーズIIIの「たたき台の試行」を予定通り実行することができている。また、利用者評価体制の構築についても議論を行い、伊丹市の利用者評価への積極的姿勢を引き出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後実施すべきことは、次の4点である。第1点として、試行実施事業を拡大すること、第2点として、利用者評価票試行版を改良し精緻化すること、第3点として、利用者評価体制の構築に向けた取り組みをより密に行うこと、第4点として、利用者評価の普及を目指すこと、である。
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