本研究は、修正デザイン・アンド・ディベロップメントの手法を用いて研究を行っている。一連の研究の最終年度である本年度は、(1)フェーズIIIの「利用者評価ツールたたき台の試行・改良」と(2)「利用者評価体制の検討」の2つを中心に研究を進めることで、一般化・普及に向けた準備を行うことができた。 (1)では、2011(平成23)年度は「ひろば」と「保育」に属する事業について利用者アンケートを実施したが、項目の修正や精緻化が必要と判断された。そのため、2011(平成23)年度評価実施事業の担当者等への評価項目修正に関するアンケート、評価データの多変量解析、の2つを行った上で評価項目を修正した。また、本年度は初めて「講座」に属する事業についても利用者アンケートを実施するため、「ひろば」・「保育」の評価項目およびこれまで各講座で実施されてきたアンケート項目などを参考に新たに「講座」用のアンケートを作成した。その後伊丹市こども未来部と協議の上、利用者評価実施事業を決定した.評価実施事業は、「地域子育て支援拠点事業」全 8ヵ所(昨年度は全7か所)、「延長保育」全8ヵ所、「講座」4事業とし、たたき台の試行・改良を行った。 (2)では、まず事業分類区分を明確化し、約200ある次世代育成支援事業の整理を行った。事業分類区分は「1.ひろば」「2.保育」「3.講座・啓発」「4.相談」「5.実施不可」の5つであり、それぞれ定義も明確化した。また、それぞれに下位分類を設け、200以上ある次世代育成支援事業を分類した。同時に事業分類のための作業チャートも作成し、次世代育成支援行動計画終了後の次の計画でも、事業分類が可能となるよう配慮した。さらに、利用者評価シフトも作成し、本研究終了後も定期的な利用者評価に取り組めるようにした。なお、(1)の試行・改良は本分類作業とシフト作成後に実施したものである。
|