集団間葛藤解決過程において、知覚された外集団の道徳性が与える効果について量的調査を用いて検討した。葛藤関係にある外集団成員は一般的にネガティブな特性知覚が成されるが、それをポジティブな方向へ変換することで、外集団に対する道徳性知覚も強まり、それが外集団に対する積極的・協力的態度を促進すると予測し、質問紙調査を中心にその点について検討した。結果は予測通り、道徳性の知覚は葛藤のある外集団からの交換留学生の受け入れ態度を促進し、また過去の葛藤に対する謝罪や賠償といったよりマクロな葛藤解決への建設的態度を促進していた。この結果は今後日本の国際交流への効果的な取り組みに役立つと考えられる。
|