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2011 年度 実績報告書

組織的公正におけるデュアル・プロセス:認知合理的アプローチと直感的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 22730487
研究機関法政大学

研究代表者

林 洋一郎  法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (70454395)

キーワード手続き的公正 / バーンアウト / 自己制御
研究概要

平成23年度は、不公正尺度を含む公正尺度を開発して、その信頼性と妥当性を検討した。平成23年度は、公正尺度の妥当性を探るための基準変数について改めて検討した。Folger(2001)らが予測するように不公正な体験は、直感的な怒り感情につながると考えられる。そこで本研究は、不公正や公正さが影響与える基準変数としてストレス反応やバーンアウトを仮定した。これらの変数をベースとしたアンケートを作成し、看護師を対象としたサーベイを実施した。
看護師254人から得られたデータを分析したところ、公正さストレス反応やバーンアウトの間に相関があることが見いだされた。また公正さとストレス反応やバーンアウトの関連をより詳細に検討したところ、個人の自己制御志向が、両者を媒介することが明らかにされた。具体的には、手続き的不公正は、必ずしも直接的にストレスを強めるわけではない可能性が示唆された。これは不公正の直感的な影響を予測する本研究とはやや異なる結果である。今回の看護師を対象とした調査は、縦断的なデザインを採用しており、本年6月に2回目の調査を行う。その際に、因果関係について、より詳細な検討を行う予定である。
さらに私は、手続き的公正要因にも注目した。手続き的公正要因は、一貫性、代表制、修正可能性、倫理性、偏向の抑制、正確性という7つがよく知られている。これらのどの要因が手続き的公正判断をより強く規定するかという研究はこれまで行われてこなかった。そこで、私は、社会人300人を対象としたネット調査を実施した。重回帰分析の結果は、一貫性と正確性がより強い規定力を持つというものであった。24年度以降は、各要因の交互作用も仮定した分析を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成23年度は、予備調査を実施と考えていたが、看護師を対象とした縦断的調査を実施することができた。これは当初は、本調査と考えていた調査と同レベルの調査である。よって当初の計画以上の進展と判断した。

今後の研究の推進方策

本年度は、本調査をきちんと進めていく予定である。さらに学会発表や論文投稿などを積極的に行っていきたいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Moderating the interaction between procedural justice and decision frame

    • 著者名/発表者名
      Sasaki, H, Hayashi, Y
    • 雑誌名

      Journal of Psychology

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 職場における公正知覚の測定:項目選定のための理論的フレームワークの定義2012

    • 著者名/発表者名
      林洋一郎・前田有希子・中川知宏
    • 学会等名
      産業・組織心理学会
    • 発表場所
      中村学園大学
    • 年月日
      20120903-20120904

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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