〈研究の目的〉 申請者のこれまでの研究結果から、潜在的イメージが実際の禁煙の成功を予測しうる要因であると考えられることから、本研究ではこの心理学的メカニズムをより詳細に検討するため、喫煙者と非喫煙者を対象とし、潜在的な喫煙イメージの高さに影響する要因について明らかにした(本課題の全体のうちの研究1の実施)。 【研究1】喫煙者の潜在的な喫煙イメージの高さに影響する要因の検討 研究1では、喫煙者と非喫煙者を対象とし、喫煙に対する潜在的イメージと顕在的イメージの違いの検討、および喫煙イメージに影響を与える要因を比較検討した。同時に喫煙歴や家族関係、運動量などのライフスタイル変数や心理変数も収集し、多面的な検討を行った。 調査会社に喫煙者と非喫煙者(年齢・性別で同数)のリクルートを依頼、また調査対象者が来所しやすいよう、大阪市内で実験に使用できる部屋を2室借り、1人あたり50分の実験を合計30人実施した。当日は同意書署名、謝礼渡し、パソコン課題(15分)、質問紙(20分)、喫煙についての考えを問うインタビュー、簡単な結果返却と実験の説明、お礼、というスケジュールで進行した。課題終了後、参加者に研究の目的と本人の結果(反応時間)を紙に書き、数値についての説明をつけ、持ち帰ってもらった。この説明により、参加者に心理学の研究の方向性とその社会への還元について理解してもらうことを目指した。 結果は現在解析中であり、2011年度の社会心理学会にて発表予定である。全体として、喫煙者の喫煙行動を促進し、禁煙に向かわせる行動を阻害する要因を明らかにすることを目指している。
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