平成25年度は、平成24年度に行った前喫煙者への顕在的・潜在的データの分析およびインタビュー結果を整理した。前喫煙者は、顕在的指標およびインタビューでは「タバコへの評価は悪く未練はない」という結果であったが、潜在レベルでは、一度喫煙習慣を付けると、タバコと自分の連合はなかなか薄まらないことが明らかになった。その結果およびこれまでの研究で得られたデータを再分析し、喫煙者の潜在的な喫煙イメージの高さに影響する要因を複数洗い出した。そして、その中でも影響力が大きいと考えられる要因を選択した。得られた結果をヨーロッパ心理学会および日本社会心理学会にて発表した。それらの結果をまとめ、現在、国際雑誌に発表する論文を執筆中である。 禁煙担当医師へのインタビューは1名からのみ協力を得ることができた。禁煙外来は医師により、治療以外の方法(話の内容、ブックレットの使用、証書の発行など)が異なるため、様々な方法を収集したいと考えていたが、インタビューの協力者を探すのは困難であった。補助金を受ける期間は終了したが、引き続き協力者を捜して情報の提供を受けて研究を継続していく予定である。現在は、インタビュー内容を整理し、喫煙者の喫煙に対する潜在的・顕在的イメージを低めることにつながる要因の洗い出しを行っている。それらの要因を明らかにした上で、今後も長期的にかかわることにより禁煙への心理教育プログラムの開発につなげていきたい。
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