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2012 年度 実績報告書

絵を描くことの認知的な基盤とその発達

研究課題

研究課題/領域番号 22730504
研究機関京都大学

研究代表者

齋藤 亜矢  京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (10571432)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード発達 / 描画 / 概念 / 芸術 / 表象
研究概要

本研究課題の目的は、描くことの認知的な基盤を明らかにすることである。前年度までは、おもに、なぐりがきから表象描画への移行期に焦点をあてて研究をおこなってきた。ヒト幼児とチンパンジーを対象とした描画実験からは、描くことの進化・発達的な起源における、表象描画と概念イメージ生成、言語発達との関わりが示唆されている。
本年度は、おもに物を見て写実的に描くことと概念イメージの解体との関連についての検証をこなった。デッサンの熟練者と非熟練者のヒトおとなを対象として、倒立図形、図地反転図形、錯視図形などの刺激図形を用いた模写課題を用意して、描画実験をおこなった。前年度までに開発してきた液晶タブレットとアイトラッカーを用いた描線視線同時記録システムにより、描画過程の詳細な記録も可能になった。その結果、図地反転図形および倒立図形ではデッサン熟練者の方が非熟練者より形のずれが少なかったが、知覚錯視の課題では、熟練者でも錯視の影響によるずれが生じており、絵の巧さは概念的なバイアスの影響をいかに回避するかに依存することが示唆された。また熟練者は視線の動きが細かく、頻繁に見本と描線付近の間を行き来すること、一方で、非熟練者は視点が留まりがちであり、視線と描線の位置が一致しやすいことも観察された。
また本年度はオーストラリアに渡航し、アボリジニのロックアート(岩絵)の調査も実施した。アボリジニの絵は、ヒトが絵を描き始めた先史時代(少なくとも約1万年前)から直近の現代まで、ほぼ同じ画材、同じ方法で描画が受け継がれてきたとされる。先史時代の描画がどのように描かれていたのかを推察する上でも貴重なものであり、これまでの研究結果と合わせ、描くことの進化的な起源についての考察を進めた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件) 図書 (2件)

  • [学会発表] チンパンジーの描画行動にみるヒトの描画の源流2012

    • 著者名/発表者名
      齋藤亜矢
    • 学会等名
      日本描画テスト・描画療法学会第22回大会
    • 発表場所
      日本大学(東京)
    • 年月日
      20120908-20120909
    • 招待講演
  • [学会発表] 「描く」の進化的基盤

    • 著者名/発表者名
      齋藤亜矢
    • 学会等名
      第6回 京都大学-慶應義塾大学合同シンポジウム「美学の進化的基盤」
    • 発表場所
      京都大学(京都)
    • 招待講演
  • [学会発表] 描く心の起源:描画行動の発達と進化

    • 著者名/発表者名
      齋藤亜矢
    • 学会等名
      国際高等研究所「心の起源」プロジェクト第1回シンポジウム
    • 発表場所
      国際高等研究所(京都)
    • 招待講演
  • [図書] WAKUWAKUときめきサイエンスシ リーズ3 日本のサル学のあした―霊長類研究という「人間学」の可能性2012

    • 著者名/発表者名
      中川尚史・友永雅己・山極壽一編著
    • 総ページ数
      239
    • 出版者
      京都通信社
  • [図書] 脳とソシアル脳 とアート―感覚と表現の脳科学2012

    • 著者名/発表者名
      岩田誠・河村満編著
    • 総ページ数
      253
    • 出版者
      医学書院

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公開日: 2014-07-24  

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