自分の言葉による説明が物事の理解を促す過程,必要な教師の働きかけを明らかにする。小学6年生の授業観察,1年生の作文,幼稚園5歳児の保育観察を行った。言語による説明には,発達段階独特の壁がある。幼児期には,感情をコントロールして言語を用いること,低学年では,話し言葉を書き言葉に変換すること,高学年では,感情的・身体的な知識を言語的・自覚的知識へ変換することに壁がある。教師の働きかけとして,幼児期には,子どもの感情を和らげ言語を用いる機会,小学校的学年では,書きたいという思いを高められるような経験,高学年では,クラス全体への説明を通して,自分の理解状態を自覚できる機会の提供が必要だろう。
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