本研究では、「感謝」を「恩恵を与えられていると感じること」ととらえ、青年期の生き方態度に感謝がもたらす変化について検討した。大学生への質問紙調査、10 代から 60 代までへのウェブ調査を実施し、ウェブ調査では与えることの喜びと人生満足度という 2 種類の生き方態度を取りあげた。その結果、青年期では生き方態度に感謝が直接的に変化をもたらすことは成人期以降と比べて少ないが、素直に感謝できないという感覚が自らの生き方を問い直すことにつながり、そこで生じた視点の変化に伴い生き方態度も変化していくことが示唆された。
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