広汎性発達障害における情動機能の発達を促進する支援方法として心理劇に着目し、(1)数量的データによる検討、(2)発達段階による検討、(3)事例的検討の3つの視点から検討を行った。その結果、(1)広汎性発達障害の特定の表情とディレクターの特定の支援に関連があるのではなく、対象者の個別性に応じてディレクターが支援の在り方を変えていること、(2)児童と青年の間には情動表出の在り方に違いが見られ、それは心理劇の構造と生活体験及び療育経験の違いによるものであること、(3)情動語の理解や使用に困難を示す事例については、情動の類似性についてディレクターが理解を促すことが有効であることの3点が示された。
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