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2010 年度 実績報告書

自閉症児の養育者における自閉症広域表現型の日本語版評価法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22730543
研究機関大阪大学

研究代表者

酒井 佐枝子  大阪大学, 連合小児発達学研究科, 講師 (20456924)

キーワード自閉症特性広域表現型 / 養育者 / 対人関係
研究概要

自閉性障害児を持つ養育者や家族、親族において自閉性障害の診断基準は満たさないものの、自閉症特性における広域表現型(BAP : Broad Autism Phenotype)を有する者がいることが指摘されている。本研究では養育者におけBAPを抽出することを目的に、BAP測定尺度の選定および質問紙開発を行った。諸外国では面接調査を中心とした特性把握が行われており、質問紙法による特性把握は始まったばかりといえる。そこでJoseph Pivenを中心としたノースカロライナ大学のチームで開発されたBAPQを原著者から許可を得た上で邦訳、バックトランスレーションを行った上で、日本語版BAPQの妥当性検討を行うこととした。データ収集途中となる今回の分析対象者は、定型発達の子どもを持つ養育者38組(76名)と自閉症児を持つ養育者4組(8名)であった。BAPQは原著では3下位尺度:「打解けなさ」「実用的言語使用」「かたくなさ」から構成されている。基準連関妥当性を検討した結果、自閉症スペクトラム指数日本語版との間に有意な強い相関(r=.60~.70)が確認された。一方、内部一貫法による信頼性を検討したところα=.15~.55と低く、信頼性は確認されなかった。翻訳による語感の違いを再度検討することの必要性、および各項目が示す特性内容の再検討を文化的背景による意味づけの違いも考慮して再度検討し直す必要性が導き出された。構成概念妥当性を検討するために探索的因子分析を行ったところ、2因子解を採用することが適当であると判断され、それぞれ「社交性」と「柔軟性のなさ」と名付けられた。今後、原著のBAPQが測定する意味内容と本邦におけるそれの比較検討を原著者と議論を重ねた上で、本邦に適したBAPQの開発を行うことが求められる。

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公開日: 2012-07-19  

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