研究課題
気分障害患者の家族における負担を評価する尺度について文献研究を行い、もっとも臨床的、研究的有用性が高いと考えられたMood Disorder Burden Index(以下MDBI)の日本語版を作成した。現在、Back Translationを行い、日本語版と英語版が同等であることを確認したうえで、体職中の気分障害患者の配偶者を対象にデータを収集し、信頼性と妥当性の確認を行っている。気分障害患者の家族が直面する困難を想定してされた尺度を開発し、これを用いて調査を行うことが重要だと思われるが、現在、我が国に気分障害患者の家族が直面する困難を想定して作成された介護負担尺度はない。よって、MDBI日本語版の作成には意義がある。また、2010年度から2011年度にかけて、休職中の気分障害患者の配偶者を対象に、電話による面接調査を実施中である。面接調査では、「夫が気分障害になってから、生活や対人関係においてどのような変化があったか」「夫が気分障害になってから、どのような困難を体験したか」「気分障害患煮の家族として、どのようなサポートを期待しているか」について、半構造化面接で聴取している。気分障害により休職している人の配偶者は、症状や治療に関する困難に加え、会社との関係、経済面における変化、将来への不など、さまざまな困難や不安を抱えていると思われるが、これまでにほとんど調査が行われていない。そのため、まず、半構造化面接調査で、家族の困難や必要とされているサポートのニーズを質的に抽出することに意義があると考えられる。2011年度は、面接調査の症例数を増やし、その結果をまとめて発表するとともに、さらに詳しい調査の計画および実施を行う。
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