医療技術の向上により生まれつき心臓に疾患を持った先天性心疾患患者の多くが成人期を迎えることが可能になるとともに、患者の社会的自立や生活の質についてそれを妨げる問題点とともに新たな課題が提示されている。本研究では成人期に達した先天性心疾患患者の心理社会的特徴を明らかにし、患者の自立や精神面に影響を与える要因を検討した。その結果、患者は同世代の成人と比較して社会的スキル、自尊感情、独立心が低く、そのことが患者の精神面や自立に影響を与えていること、また年齢とともに不安感が高くなる患者数が増加することが示された。医療者はこれらの特徴を生かした支援について考えていく必要がある。
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