研究課題/領域番号 |
22730601
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
泉山 靖人 東北大学, 大学院・教育情報学研究部, 助教 (00322983)
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キーワード | 学社連携 / 公共図書館 / 市町村合併 / 定住自立権構想 / 図書館海援隊 / 市民協働 / 補助執行 / 地域づくり |
研究概要 |
2011年度は4自治体の訪問調査を実施するとともに、学会等の参加にあわせて5自治体の資料収集(予備調査)を実施し、それとともに文献・資料の収集により本研究に関わる事例の情報収集および理論的枠組参の精緻化を進めた。これらの成果の一部は、2011年11月に開催された日本教育制度学会大会において自由研究発表及び課題別セッション報告として公表するとともに、琉球大学生涯学習教育研究センター研究紀要に論文投稿し、掲載が決定している。本年度に実施した調査の概要は下記の通りである。 千代田区: 千代田区は「千代田ゲートウェイ構想」による区立図書館運営を指定管理者制度により実施している。地域づくりを標榜したこのような取り組みにおいていかなる学社連携が図られているかを調査した。 埼玉県・神奈川県・東京都:いずれも県立・都立図書館の館ごとに主題等を設定し、特定の主題等に応じた資料を集中的に収集する体制を構築している。このような体制の二線図書館による地域支援および学校との連携について、埼玉県立図書館の訪問調査を実施するとともに、神奈川県立図書館・東京都立図書館を訪問し資料収集を行った。 川崎市: 地域のプロスポーツチームや映画産業など、地域団体との連携/協働による図書館運営を通じ、地域づくり/まちづくりに資する取り組みを実践している。このような地域連携を行う図書館の活動について調査を実施した。 浦添市: 生涯学習振興課を所管課とする読書活動推進委員会を設置し、学校教育課・保育課・市立図書館等が協働して読書推進に取り組む体制を構築している。このような全庁的な体制づくりについて調査を実施した。 このほか、学会等の参加にあわせて津山市、岡山県、横浜市の各図書館の資料を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は生涯学習施策におけるまちづくり・地域づくりと生涯学習施設の関係を調査するため、年度当初の予定を一部変更して地域づくり・まちづくりに関わる事例の調査を追加し、一部の調査を先送りした。しかしながら、これらの事例は研究目的における「生涯学習施策の変容」に関わるものであり、研究期間全体を見通した研究の進展状況としてはおおむね順調に進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の最終年度となる次年度は、2011年度の当初予定で構想していたものの計画変更により先送りとしていた学校図書館支援センター設置自治体の調査を集中的に進め、あわせて首長部局における生涯学習推進体制を構築している事例の調査を進める。 調査に際しては調査候補地の事前調査を実施した上で教育委員会、公立図書館関連部局等に対する訪問調査を実施する。また訪問調査では、施策、財政、体制、事業、変化、課題、展望の7つの視点から調査内容を決定し、これらの観点により事例間の比較を行う。
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