本研究の目的は、校内授業研究における事後検討会を分析する枠組みを開発すること、その枠組みをもとに学校・教師自身が、自校の校内授業研究会を分析し、その結果をふまえて継続的に校内授業研究を推進することによる効果を解明することである。本年度は、以下の研究を行った。 1)校内授業研究及び事後検討会に対する管理職と現職教師の意識調査の分析:校内授業研究は全校種において推進され、教師の授業力向上にとって重要な役割を担っているにも関わらず、その実際や現職教師の意識は、これまであまり研究されてきていない。そこで、公立小中高等学校における校内授業研究の推進者(管理職・研究主任等)を対象とした【学校調査】と、教師(教諭・講師等)を対象とした【教師調査】を、2010年度に行った。回答校数は354校(回収率81.0%)、有効回答者数は5178件であった。 2010年度は教師調査、2011年度は学校調査の分析を行ってきた。それをもとに本年度は、管理職や研究主任と、教諭・講師の意識の差を比較検討した。校務分掌等により校内授業研究への参加意識が異なり、とりわけ学校組織としての教師集団の力量向上という視点、協働性のとらえ方、新しい方法の導入などに意識の差異があることを明らかにした。 2)校内授業研究の分析方法の開発とフィードバック:秋田市内の小学校および中学校で行われた校内授業研究および事後検討会を分析し、学校・教師へ分析結果をフィードバックした。それをもとに校内授業研究の事後検討会を分析する枠組み等のモデル化に取り組んだ。
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